クリスマス
- 辻村七子
- 2017年12月24日
- 読了時間: 1分

「お誕生日おめでとうございます!」
「あっ、すみません、確かに『お誕生日おめでとうございます』といれてくださいとオーダーしたのですが、私の誕生日ではないんです」
「そうなんですか」
「小説を書いておりまして、その登場人物の誕生日なんです」
「そうなんですか」
「彼の好物が、資生堂パーラーのいちごパフェで……」
「資生堂パーラーのパフェなんですか?」
「はあ、あの、彼のお店は銀座七丁目でして……」
「はあ」
なんやかや笑劇のようなことがありつつ、お祝いしてくださったお姉さん、本当にありがとうございました。メニューでろうそくを隠して持ってきてくださるサービスで、直前まで火がついていることが見えず、あわあわするやら嬉しいやらです。クリスマスの銀座の資生堂パーラーという固有名詞を並べるだけでとんでもない人出が想像できる中(実際にすごい人出でした)、『いつもの資生堂パーラー』を味わわせてくださったことに感謝します。本当にありがとうございました……。
お誕生日おめでとう。
あなたが生まれてきてくれて、私は本当に嬉しい。
最新記事
すべて表示こんにちは、辻村小説公園の管理人、 辻村七子です。 このたび辻村小説公園は、もう少し管理しやすく、 もう少しほかの場所にアクセスしやすく、 もう少し居心地のよい公園に生まれ変わるため 移転させていただきました。 http://tjmr75.com/...
先行上映会ルポ きたる2019年12月7日。 東京都、新小岩駅から徒歩二十分のホールで、催事が行われていました。 「宝石商リチャード氏の謎鑑定 先行上映会 エトランジェへようこそ」 2020年1月9日から、tokyo MX, AT-X,...
初顔合わせだよ&雪広先生ありがとう! の巻 <前回までのあらすじ> 関東地方カステリャ市の田舎の城に暮らすしがない作家辻村のところへ、遠く東京都アゴダの城(集英社)からふみが届いた。 『あなたの小説、アニメにします!』 なんという福音! しかし実現するとは思っていなかった矢...